私と理論

数学の話を主に書きます

2021年振り返り

もう年末ということで,2021年に自分に起きたことを振り返ってみようという日記です. 今まで数学的な内容の記事ばかり書いていましたが,たまにはこういうのも良いということでひとつ. 大して有益な情報はありません.

競プロ

アルゴリズムコンテスト

数年前からハマっていた競プロ,atcoderで黄色(レート2000↑)になることができました!

atcoderの黄色は上位数%くらいで,そこからは一番頻度の多いコンテストであるABCがレート変動対象でなくなる・色が寒色から暖色になるなど境目となる要素がいくつもあり,取り組む際の目標とされやすいランクです.

自分はレート1800くらいには割とすぐなれたので(1600→1800が2ヶ月くらい),「とりあえずサクッと黄色になってあとはのんびりするか〜」という感じだったのですが,まさかのそこから1800→2000に2年かかりました(?).1998とか1997になってそこから叩き落とされたり,一時期は1800を割ったりすることもあって「この壁,一生越えられないのでは…」と思うこともありましたが,なんとか達成できて良かったです.やはり人生諦めないことが大事ですね!!

ちなみに競プロで一番印象に残っている問題はMultiplication 3 (ABC169-C)です.kyopro_friendsさんありがとう…

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†教育†

またコンテスト中に解けて嬉しかった問題は123 Triangle (AGC43-B)です.こんな計算が高速にできてしまうの,まさに競プロという感じで良いですね.

ヒューリスティックコンテスト

今年の競プロの一つの大きなニュースとして,atcoderヒューリスティックコンテスト(AHC)が始まったことが挙げられます.ヒューリスティックコンテストは,普通のアルゴリズムコンテストとは違って厳密解を求めることが困難な問題において,できるだけ高いスコアを獲得することを目指すコンテストです. 今までは特に興味がなかったのですが,atcoderでレートが付くようになったので手を出してみたところとても面白く,結局今年のratedコンテストには全部参加してしまいました.

通常のアルゴリズムコンテストとは異なり,1つの問題に対して様々なアプローチが考えられ,アルゴリズム力で殴る人,焼きなまし職人になる人,実験データの分析を頑張る人,機械学習を使う人など,人によって特徴が出るのが面白いです.解法に多様性があるので,コンテスト後の「やったこと」ツイートを眺めるのも楽しいですね.

また,当たりの方針をうまく引くことができるとスコアが一気に上がるので,番狂わせが起きやすい気がします(体感). 今のABCとかはレベルが上がりすぎて初心者が良い順位を取るのは難しいですが,ヒューリスティックなら初心者でも上位に食い込める可能性はありそうです. 初心者にこそAHCをやってみてほしい.時間が短いコンテストはある程度の実装力が必要だったりするので,1週間くらいの長期のコンテストの方が良い成績が出るかも?(ただしハマりすぎて生活リズムが崩壊する危険性はあります…)

来年はAHCに力を入れてもっと上位,具体的には順位表1ページ目に入ることを目標に頑張っていきたいです.

その他

今年は競プロerとオンサイトで会う機会が何度かありました. 特に年末の競プロ忘年会では, Twitterもしくは順位表でしか会ったことのない方々にリアルで「初めまして」できたのが良かったです. 競プロの話をするのも楽しいし,競プロ以外の話をするのも楽しいですね.

来年は情勢次第ですがもっといろんな人と話したいです.一緒にお酒飲みましょう.

研究

自分は企業で研究者をしていて,論文を書いたりします. それに関連する今年の個人的大ニュースは9月にNeurIPSに論文がアクセプトされたことです.

NeurIPSは機械学習では最難関の1つとされる,かなり注目度の高い会議です. 色々な方におめでとうと言って頂いたり,研究内容を話す機会を頂いたり,周りの反応が今までの論文採択より明らかに大きかったので,改めてNeurIPSのプレゼンスの大きさを感じました.

NeurIPSには通したいとずっと思っていて,去年も一昨年も投稿したもののリジェクトされていたので喜びもひとしおでした. やはり人生諦めないことが大事ですね!!(2回目)

採択通知が来たときのことははっきりと覚えてます.朝4時くらいまでブレスオブザワイルドのマスターモードをやっててふとTwitterを見たら査読結果が出ているという情報を発見,急いでOpen Reviewのサイトに直行.徹夜テンションと極度の緊張がまぜこぜになって心臓が不規則に鼓動し手は震えていました.ああいう時間が最高ですね.今後も求めていきたい.

ちなみに競プロは研究にとっっっっっても役に立っています.フロー・DP使いまくり,imos法を使う場面もありました.実装に対する心の障壁は下がり,添字に混乱することも減り,空は晴れ渡り大地には花が咲いています.

ビール

今年はひたすらピルスナーウルケルにハマっていました.

ピルスナーウルケルというのは,日本のビールの主要なスタイルである「ピルスナー」の元祖となったチェコのビールです. じゃあ日本のビールに似ているのかというとあまり似ていなくて,苦味の中にカラメルやビスケットのような甘味があります. 僕はあまり甘いものが好きではないのですが,ピルスナーウルケルの甘味は苦味と素晴らしいバランスで調和していて大好きです. 度数もあまり高くないので†無限飲酒編†が始まってしまいます.

また,見た目も特徴的で,樽のような形の透明なグラスに泡がたっぷり入って出てきます. この泡が美味いんですよね.ほとんどが泡になっている(!?)ミルコという注ぎ方もあるくらいです.

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泡だらけのミルコ

注ぎ方や泡の状態が味に大きな影響を与えるので,お店で飲むのが大事です. ウルケルが飲める,個人的に好きなお店をいくつか挙げます.

  • 横浜ベイブルーイング(関内) www.yokohamabaybrewing.jp 横浜DeNAベイスターズの球団オリジナルビールを作ったりもしている醸造所のビアバー. 醸造責任者がピルスナー好きらしく,ウルケルも飲めるしベイピルスナーというオリジナルのボヘミアンピルスナーも美味しい. IPAとかホワイトビールも作ってて良い.

  • 内田日和(野毛) uchidabiyori.com 野毛にあるビアバー.ウルケルも美味しいし,スーパードライを三種類の注ぎ方で出していたり,日本酒も色々置いてあって良い. あとご飯がとても美味しい.特にポテサラが推しっぽい.店の雰囲気がおしゃれなのも良いところ. 上で挙げたベイブルーイングを含めこのあたりはビアバーが多いので,ハシゴすることで†無限飲酒編†が始まる.

  • WHY BEER? (代々木上原whybeer.storeinfo.jp ビールはウルケルしか出さないという気合の入った店.ウルケルに対する並々ならぬ情熱を感じます.ミルコも飲める. 料理が超絶美味い.まだ全部は食べれていないけど,とりあえず名古屋おでんが美味しいです. 八丁味噌入りまくり.

麻雀

大学生の頃に「打てなくはない」くらいのところまで行って辞めていたんですが,コロナのこともあって暇なので割と真面目に雀魂をやっていました. とりあえず雀豪までランクを上げて,後は友人戦をよくやっていました. 麻雀って基本的には運ゲーだと思うんですけど,その運ゲーがなんでこんなに楽しいんでしょうね.不思議.

最近は雀荘でセットで打つようにもなったんですが,あれはネット麻雀とは完全に別物ですね… チョンボもやってしまったし,後から思い返すとミスだったな〜ってのもかなり多いです. こっちも練習したいところ.

あと,麻雀ハマったついでにMリーグも見るようになりました.パイレーツとドリブンズ推しです.Mリーグは平日の3-4時間を平気で奪ってくるからヤバイ.

競馬

有馬記念三連単的中しました.ヒョ〜

ただし,この馬券は自分で買ったわけではなく,後輩が誕生日プレゼントとしてくれたものだったので,すごいのは後輩です. なぜか遊戯王カード・野球選手カード・いかがわしいカードもくれました.野球選手カードは矢野燿大原辰徳・中﨑翔太の3枚でした.ありがたいけどなんだそのチョイス.

読んだ本

劉慈欣の「三体」シリーズがとても面白かったです. もともと中国語で書かれたものを英語に翻訳して,それを日本語に翻訳したという経緯のSF小説です. 翻訳された小説は読みにくいことが多々あるのですが,三体に関してはそんなことはなく,全部で1500ページくらいを一気に読んでしまいました.

内容は何を言ってもネタバレになってしまうので,amazon にあったあらすじを引用しておきます.

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。 数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

凄いのはクソデカい話のスケールとクソデカい作者の想像力です. 人間はここまで規模の大きい時間・宇宙の果ての果ての概観から細部までを想像できるのかと驚きました. 世界には凄い人がたくさんいるんですね. 自分はミステリをよく読む・SFはあまり読まないという感じですが,ミステリ好きにも刺さると思います.

2022年の方針・目標

  • AHCを頑張る.

  • Kaggleをやると言って3兆年経ったのでそろそろ手を出してみる.

  • 英語のリスニングの上達.NeurIPSのポスター発表で感じたんですが,とにかく聞き取れません.スピーキングは頑張れば伝わりはするんですが(スマートではない),リスニングに関しては聞き取れないとそこで試合終了なので厳しいですね.研究議論がスラスラできるレベルにはしたいものです.なにかいい上達方法とか教材とか知ってたら教えてください.

  • チェコピルスナーウルケルを飲む.情勢次第ですが行けたら行きたいです.プラハの街も散策したい.カフカとか読んどいた方が良さそう.グスタフ・マイリンクゴーレムは買ったけど積んである.

  • 雀魂で雀聖になる.名前がかっこいいので.

最後に

今年お世話になった皆様,ありがとうございました.来年もよろしくお願いします.

数式使わないとブログってこんなに書くの楽なのか…